#95回の投資見送り — その本当の理由
イ・テギョンの著書の第3章に収録されたインタビュー(pp. 116〜120)で、キム・スラは見送りの大きな理由を3つ挙げています。いずれも、市場が早朝配送・生鮮食品というカテゴリー自体を受け入れる準備ができていなかったことに行き着きます。
- 「早朝配送は、本当にオペレーションとして実現できるのか?」— 運営モデルそのものへの疑念
- 「生鮮食品ECは、そもそも十分に大きな市場なのか?」— 市場規模の推計への不信
- 「このチームに、本当に解決できるのか?」— コンサルティング出身者で構成されたチームの実行力への疑念
#投資見送りの理由を分類する3つのカテゴリー
見送りをどのカテゴリーに分類するかによって、次に取るべき行動はまったく変わります。キム・スラのインタビューに基づく3つのカテゴリーは、次のとおりです。
| 見送り理由のカテゴリー | VCの言い方の例 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 資料の問題 | 「何をするかはわかるが、どう実現するのかが見えない。」 | IRデック作成の8つのコツを確認する — 2週間で改善 |
| 市場の問題 | 「市場が小さく見える。」 | TAM/SAM/SOMを再計算し、なぜ今なのかという説明を組み直す |
| チームの問題 | 「このチームに解決できるのか?」 | MVP、インタビュー、支払いデータで実行実績を示す |
ここで重要なのは、同じ断り方でも、実際には別のカテゴリーに属する場合があるということです。「市場が小さく見える」は、実は「このチームは市場の定義を誤っている」という意味のこともあります。だからこそ、見送りの直後に短時間でも振り返り、正しく分類する価値があります。
#「痛い思いをするなら早いほうがいい」— 見送りをデータとして扱う
これを実践するには、見送りを受けた直後に次の3点を書き留める必要があります。時間がたつと、記憶はすぐに歪みます。
- 見送り時の正確な言葉 — 「事業の成功をお祈りしています」「社内の合意に至りませんでした」といった表現を、そのまま記録する
- どの段階だったかの最善の推定 — 初回面談、フォローアップ、IRピッチ、投資委員会(IC)のいずれか
- どのカテゴリーかの最善の推定 — 資料、市場、チームのいずれか
#「小さな市場で圧倒的」か「大きな市場で明確な優位性」か — キム・スラの2つの道筋
| 市場のタイプ | 答えるべきこと | 裏付けとなるデータ |
|---|---|---|
| 小さな市場 | 圧倒的な地位 — 市場をほぼ掌握できる | 顧客インタビュー+実在する参入障壁1つ |
| 大きく、競争の激しい市場 | 明確な優位性 — 他社にはできないことが1つある | 実際のトレードオフを示す比較表 |
| どちらも明確ではない | 見送り — その曖昧さ自体が警戒すべきサイン | 立ち戻ってポジショニングを整理し直す |
Market Kurlyは、「生鮮食品ECという大きな市場で、早朝配送を強みにする」という明確な位置付けを定めてから、審査通過率が上がりました。それ以前のピッチは、「生鮮食品とKurlyのキュレーション」という、より曖昧なものでした。
#見送り後に再アプローチする時期 — 6〜12か月後
見送りの理由を分類したら、次の問いは、同じVCにいつ再アプローチするかです。早すぎると「同じデックを持ってまた来た」と受け取られます。遅すぎると、対応していたパートナーが異動や転職をしていて、ゼロからやり直すことになりかねません。
| 見送り理由のカテゴリー | 適切な再アプローチ時期 | 必要な変化 |
|---|---|---|
| 資料の問題 | 1〜2か月後 | デックを修正し、変更点を具体的に示す |
| 市場の問題 | 6〜12か月後 | 市場での位置付けを再定義し、より多くのデータで裏付ける |
| チームの問題 | 6〜12か月後 | MVP、支払い実績、インタビューなど、実行の証拠を追加する |
| 複数のカテゴリー | 9〜12か月後 | 3つすべてのカテゴリーに対処する |
#見送りを個人的な拒絶と受け止めない — キム・スラの結婚の比喩
この比喩が示すのは、見送りを受けたときには、2つのことを同時に確認する必要があるという点です。
- 実際に改善できること — 資料、市場の定義、チームの実績
- そのVCとの相性 — ステージ、注力セクター、投資哲学が合わないことだけが、見送りの理由かもしれない
後者なら、同じVCに再アプローチしても前進は望めません。もともと相性の合わない相手に、いくら自分を魅力的に見せても結婚には至らないのと同じです。取るべき行動は、自社のステージとセクターに合うVCを見つけることです。
#セルフチェックリスト
見送りを本当にデータとして扱えているかを確認する6項目です。
- 見送りを受けるたび、その直後に言い方のニュアンス、段階、カテゴリーを記録していますか?
- 少なくとも5件の見送り記録が蓄積し、資料・市場・チームのどこに偏るかが見えていますか?
- 自社の市場での立ち位置は、「小さいが圧倒的」または「大きいが明確に差別化されている」のどちらかに、はっきり分類できますか?
- まだ曖昧なら、市場でのポジショニングの再定義に着手していますか?
- 再アプローチのメールは、何を改善したのかを具体的に示す1文から始まっていますか?
- 単なる相性の不一致が見送りの理由と考えられるVCについては、自社のステージとセクターに合うVCへと対象を切り替えていますか?
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