#IRデッキの標準構成 — 10枚のスライド
| # | スライド | 1行で伝える要点 |
|---|---|---|
| 1 | 表紙 | 会社名・1行のタグライン・ラウンド |
| 2 | 課題 | 顧客が抱える困りごとの大きさ |
| 3 | 解決策 | 自社の解決策が違う理由 |
| 4 | 市場規模 | TAM/SAM/SOM + 出典 |
| 5 | ビジネスモデル | どう収益を上げるか |
| 6 | 実績・成長の証拠 | 成長の裏づけ(MAU、売上、LOIなど) |
| 7 | 競合分析 | 自社にしかできない理由 |
| 8 | チーム | 自分たちにできる理由 |
| 9 | 財務・ロードマップ | 12〜24か月のマイルストーン |
| 10 | 調達の要望 | 金額・資金使途・次回ラウンド |
重視される点はステージによって変わります。シード投資家はチームと課題、プレシリーズAの投資家は実績、シリーズAの投資家はユニットエコノミクスを最も重視します。
#表紙 — 30秒以内に決まる
IRデッキの最初のスライドには、会社名、ロゴ、タグライン、ラウンド情報の4つを載せます。中でも最も重要なのは、会社を説明する1行のコピー、タグラインです。
| 弱いタグライン | 強いタグライン |
|---|---|
| AIを活用したヘルスケアプラットフォーム | 会社員の「ジム終了」から「夕食決定」までを30秒にするアプリ |
| 革新的なSaaSソリューション | スタートアップの初めてのエンジニア採用を4か月から4週間に短縮する採用SaaS |
#課題と解決策 — 必ずセットで伝える
課題と解決策は、常にセットで読めるようにします。よい課題スライドは数値で切実さを示し、よい解決策スライドは「現状よりX倍よい」と一目で伝えます。
- 課題:誰が/どのくらいの頻度で/どれだけ損失を被っているか
- 解決策:現状と比べた時間・費用・成果の違い
- 視覚化:導入前後の比較、またはデモのGIF・画像
技術的な差別化そのものではなく、「なぜ顧客が自社の解決策を選ぶのか」に集中しましょう。VCが探しているのは、最も格好よい技術を持つ会社ではなく、大きな売上を生む会社です。
#市場規模 — 信頼を損なわずに示す
市場規模のスライドで特に多い間違いは、(1)出典のない大きな数値、(2)SAMやSOMを示さずTAMだけを載せること、(3)TAMを業界全体の規模まで膨らませることです。
| 確認項目 | 基準 |
|---|---|
| TAMの出典 | 信頼できる出典(業界レポート、政府の統計機関、調査会社) |
| SAMの定義 | 実際にアプローチできる具体的なセグメントに絞る |
| SOMの期間 | 24〜36か月以内に現実的に獲得できる範囲 |
| 年 | 入手できる最新データを使う(2024–2025) |
| 通貨・単位 | 通貨を1つに統一し、混在させない |
#実績 — 数値で実行力を証明する
シード期のVCは、アイデアそのものよりチームの実行力を重視します。実績のスライドは、その実行力を数値で証明する場です。まだ売上がなければ、別の指標で示しましょう。
- 売上がある段階 — 前月比・前四半期比の成長率、ARR、GMV
- ユーザーがいる段階 — MAU/DAU、継続率曲線、NPS
- 売上がない段階 — ウェイティングリストの人数、LOIの件数、試験導入契約
- B2Bの段階 — 商談パイプラインの金額($)、平均営業サイクル、成約率
#チーム — Founder-Market Fit
チームスライドは履歴書ではありません。中心となる問いは、「なぜ、このチームが、この市場で、この事業を実現できるのか」です。これがFounder-Market Fitです。学歴や役職より、業界の専門性と実行の証拠が重要です。
- 業界の専門性 — この市場で何年の経験があるか
- 実行の証拠 — 「以前Xを作った」「以前Xを運営した」
- 人脈 — 主要顧客、パートナー、アドバイザーとの関係
- 構成 — 技術、事業、営業の役割分担が明確か
#調達の要望 — 金額、資金使途、次回ラウンド
調達の要望はデッキの最後のスライドですが、最も記述が弱くなりやすい箇所でもあります。「₩Xを調達予定」だけで終わらせず、次の3つを併せて示しましょう。
- ラウンド規模 — 今回の調達総額と、単独リードか共同リードか
- 資金使途 — プロダクト・開発(X%)/マーケティング(X%)/運営(X%)
- マイルストーン — 12〜18か月以内に到達する次の段階(シリーズAの準備完了、黒字化など)
企業評価額は、スライドにまったく載せないこともよくあります。通常は面談で別途話し合います。早い段階で提示しすぎると、交渉上の立場が弱くなるためです。
#IRデッキでよくある5つの懸念点
- 「競合なし」— 市場調査が不十分か、市場自体が存在しないことを示唆する
- SAM/SOMがなくTAMだけ — 市場を十分に調べていないと受け取られる
- 実績グラフのY軸に単位がない — VCが最も信用しない可視化
- 学歴だけを並べたチームスライド — Founder-Market Fitを示せていない
- 具体的な活動がなく、資金使途が割合だけ — 資金管理能力への疑問を招く
#AIのフィードバックでIRデッキを確認する
自分で書いたIRデッキは、内容に近すぎて弱点が見えません。メンターに見てもらうには日程調整が必要ですが、VCに送る前に弱点を把握しておくことは非常に重要です。
IRデッキへのAIフィードバックで、投資家面談に備える
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