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起業ガイド

売上予測テンプレート — SaaS・D2C・マーケットプレイスの計算式

2026.05.05·10分·OPENSEED
参照するエージェントCFO

売上予測は、事業計画書の中で最も数字が膨らみがちな部分です。だからこそ、審査担当者は信頼性を確かめるために、まずここを確認します。良い売上予測とは、大きな数字ではありません。「前提→計算式→結果」が一貫してつながる、小さな数字です。このガイドでは、SaaS、D2C、マーケットプレイスという3つのビジネスモデルの売上予測式と、その前提を検証する方法を解説します。

はじめに

#売上予測の2つのアプローチ — トップダウンとボトムアップ

トップダウンは、市場規模に想定シェアを掛けて売上を算出する方法です。手早く作れますが、信頼性は低くなります。ボトムアップは、個々の取引単位から積み上げる方法です。作成には時間がかかりますが、審査担当者や投資家が実際に検証できる形になります。

アプローチ計算式の例利点リスク
トップダウンTAM ₩1T × シェア0.1% = ₩1B作成が速く、大きな目標を伝えられる根拠が弱く、すぐに疑問を持たれる
ボトムアップ顧客数 × 価格 × コンバージョン率 × 購入頻度検証可能で、信頼につながる構築にかなりの時間がかかる
주의
ボトムアップとトップダウンの結果に10倍を超える差がある場合、いずれかの前提に無理がある兆候です。より保守的な数値に寄せて、前提を見直しましょう。
02

#SaaS — ARRを累積で計算する

SaaSは月額または年額のサブスクリプションで成り立つため、ARR(年間経常収益)が中核となる指標です。新規契約、解約、アップセルのすべてがARRを動かします。そのため、単純な「顧客数 × 価格」ではなく、解約を織り込んだ累積モデルが必要です。

変数値の例説明
月間新規契約数100マーケティングチャネル全体の合計
月次解約率5%既存顧客のうち解約する割合
月間ARPU₩29,000有料プラン全体の平均
月ごとの累積顧客数新規契約数から解約数を差し引いて累積複利型の成長モデル
年間ARR月末顧客数 × ARPU × 12標準的な報告指標

SaaSの売上予測で最大の落とし穴は、解約率をゼロ、または非現実的に低い数値に設定することです。業界平均の月次解約率は、B2C SaaSで5-7%、B2B SaaSで1-3%であり、初期段階のプロダクトではさらに高くなることもよくあります。最初の6か月のコホートデータを使って、自社の数値を検証しましょう。

03

#D2C — 注文単価 × 購入頻度の計算式

EC、食品、日用品など、消費者へ直接販売するD2Cブランドでは、1回の注文あたりの売上とリピート購入の頻度が特に重要です。ここではARRの概念はあまり当てはまりません。代わりに、AOV(平均注文単価)、購入頻度、リピート購入率が売上予測の主要な変数になります。

変数値の例計算式での役割
月間訪問者数50,000マーケティング活動の成果
コンバージョン率(CR)1.5%訪問者が購入者になる割合
平均注文単価(AOV)₩45,0001注文あたりの平均売上
月間リピート購入率20%既存購入者のうち再購入する割合
月間売上訪問者数 × CR × AOV + リピート購入売上両者の合計
TIP
D2Cでは、「新規顧客の売上」と「リピート顧客の売上」を分けると、信頼性が大きく高まります。両方の線が並行して伸びるグラフは、コホートの健全性を最もわかりやすく示す方法です。
04

#マーケットプレイス — 供給側・需要側の双方を踏まえたGMVの計算式

マーケットプレイスは供給者と消費者をつなぎ、取引総額(GMV)の一部を手数料として受け取ります。売上 = GMV × テイクレートという構造であり、売上そのものよりGMVのほうが多くの情報を示すこともよくあります。

変数値の例説明
登録供給者数1,000確認済みで、活動中の供給者
月間アクティブユーザー数(MAU)30,000需要側のユーザー数
月間取引件数8,000完了した取引
平均取引単価₩120,0001取引あたりの金額
月間GMV取引件数 × 平均取引単価 = ₩960Mプラットフォームを通じた取引総額
テイクレート10%プラットフォームが売上として受け取る割合
月間売上GMV × テイクレート = ₩96M実際に計上する売上

マーケットプレイスの売上予測で最も重要な検証対象は、流動性、つまり取引の成立しやすさです。供給者1人あたりと消費者1人あたりの月間取引件数が、どちらも最低限の水準を超えて初めて、プラットフォームは機能します。流動性の前提を明示しなければ、見た目は大きくても実態に根差していないGMVの数字になってしまいます。

05

#シナリオ分析 — 基本・楽観・悲観

売上の数値が1つだけでは、前提が1つ崩れた瞬間に予測全体が成り立たなくなります。基本・楽観・悲観の3つのシナリオを併記することで、予測の信頼性は大きく高まります。

シナリオ前提1年目の売上(例)
悲観シナリオコンバージョン率が半分、解約率が1.5倍₩120M
基本シナリオ現実的な前提をそのまま適用₩350M
楽観シナリオコンバージョン率が1.5倍、解約率が3分の2₩720M
주의
審査担当者や投資家は、通常、悲観シナリオを基準に判断します。楽観シナリオの数字だけを前面に出すと、信頼を損ないます。最悪の場合でも事業を継続できることを示しましょう。
06

#前提の検証 — 出典と裏付けデータ

売上予測を支えるすべての前提には、出典が必要です。「経験上、おそらくこうなる」は前提ではなく、推測です。検証済みの前提は、次の4つのいずれかを根拠とします。

  1. 自社プロダクトのベータ版またはMVPのデータ — 得られる中で最も強い根拠
  2. 競合や類似企業が公表したKPI — 投資家向け資料、報道、業界レポート
  3. 業界平均の統計 — 韓国統計庁、KOSIS、韓国電子情報通信産業振興会などの情報源
  4. 専門家へのインタビューやアンケート — 実施日、サンプル数、回答者の属性を明記

「コンバージョン率1.5%」のような重要な前提は、表の数値のすぐ横に出典を記載しましょう。記載例:「韓国国内ECの平均コンバージョン率は約1-2%(自社ベータテストの5週間で測定)」、または「競合が公開した投資家向け資料に基づく」。

07

#よくある6つの失敗

  1. 裏付けとなる根拠なしに、1-2年目は横ばいで3年目に急増するホッケースティック型の曲線だけを示す
  2. 新規顧客が全員永久に利用し続けるかのように、解約率を0%とする
  3. 業界平均の2倍を超えるコンバージョン率を恣意的に設定する
  4. マーケティング費用を相応に増やさず、新規契約数が直線的に伸びると仮定する
  5. 季節性や市場環境の変化を無視する
  6. 基本シナリオだけを示し、悲観・楽観シナリオを省く
TIP
事業計画書の売上予測では、「根拠のない大きな数字」は信頼性を一瞬で失わせます。最も堅実なのは、「十分な裏付けのある小さな数字 + 成長シナリオ」という構成です。
まとめ

#セルフチェック:創業者向けチェックリスト

  1. 自社の事業は、SaaS、D2C、マーケットプレイス、それらの複合型のどれに該当しますか?
  2. そのモデルに適した計算式を使っていますか?(単純な「顧客数 × 価格」で済ませないこと。)
  3. ボトムアップの計算式に含まれるすべての変数に、出典または実測値の裏付けがありますか?
  4. 悲観・基本・楽観のシナリオをすべて併記していますか?
  5. 解約率、リピート購入率、コンバージョン率の前提は、業界平均の範囲内に収まっていますか?
  6. 1-3年目の予測は、相応のマーケティング費用の増加と結び付いていますか?
  7. トップダウンとボトムアップの結果の差は、妥当な範囲(10倍未満)ですか?
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