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資金調達

VCの投資検討ファネル:100件審査して投資は2件 — どの段階で見送られていますか?

2026.05.13·11分·OPENSEED
参照するエージェント総括アナリスト

VCが1年間に100件の事業計画書を審査しても、実際に投資を受けられるのは平均して2、3件です。「確率が低い」という結論で止まっていては、次の挑戦には役立ちません。重要なのは、6段階のファネルのどこで見送られているかを正確に知ることです。それによって、最初に何を直すべきかが決まるからです。本記事では、Mashup Angelsをモデルにした仮想事例を使い、各段階の移行率、見送りの主な理由、断り文句のニュアンスから自分の位置を逆算する方法を解説します。

はじめに

#100件審査 → 2件に投資:ファネルの全体像

Mashup AngelsのLee Taek-kyungは著書で、「B社」と呼ぶ仮想の投資会社について、1年分の実際のファネルデータを紹介しています。意思決定は6段階に分かれ、創業者が見送られる理由は段階ごとに異なります。

段階検討案件数前段階からの移行率累積移行率
① 初回面談100—100%
② 再面談4040%40%
③ IRピッチ1537.5%15%
④ 予備投資委員会853%8%
⑤ デューデリジェンス562.5%5%
⑥ 最終投資委員会360%3%
⑦ タームシート・投資実行267%2%
TIP
第4段階以降の移行率(53–67%)は投資会社間の差が比較的小さい一方、第1–3段階の移行率は会社によって大きく異なります(20–70%)。つまり、第1–3段階で見送られるなら、問題は事業計画書やIR資料そのものにあります。第4段階以降で見送られるなら、デューデリジェンスや投資条件に関する別の問題です。
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#第1段階・初回面談 — 資料形式と曖昧な一文ピッチで60件が脱落

100件中60件は、2回目の面談を行わないという判断で終わります。Lee Taek-kyungのペルソナをモデルにすると、主な理由は次のとおりです。

  • HWPやDOC形式で資料を送る — 開いてもらうことすらできない(標準はPDF)
  • チーム紹介がない — Lee自身はこれを、韓国語で「中身のないまんじゅう」に当たる表現で呼んでいる(第4章)
  • ビジネスモデルの核心を1分以内で伝えられない — 抽象的な流行語が多い
  • 希望調達額や調達時期が書かれていない — 最初から投資ステージとの適合性を判断できない
  • 投資対象のステージや業種が合わない投資家へ、面識のないまま一斉にメールを送る
  • 初めて送るメールの本文に、別の投資家の名前が残っている
주의
この段階の断りは、通常「事業のご成功をお祈りします」のような短い一文です。理由が示されないのは、資料が本格的な審査に進める水準に達していなかったからです。
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#第2段階・再面談 — ペインポイントの検証不足で25件が脱落

初回面談を通過した40件のうち、25件は再面談の日程が決まらないか、再面談後に停滞します。初回面談の感触は良かったものの、「引き続き様子を見ましょう」で終わった案件がとどまるのはこの段階です。

主な理由VCの言い方次に取る行動
ペインポイントの検証が弱い「顧客が本当にお金を払ってでも解決したい問題ですか?」MVP、インタビュー、支払いデータのいずれか1つの根拠を追加し、再面談を依頼する
市場規模の推計に根拠がない「市場が小さく見えますね」TAM/SAM/SOMを客観的なデータで裏付ける
チームの結束に疑問がある「共同創業者のお2人は、どのように知り合ったのですか?」一緒に働いた経験と役割分担を明確にする
日程が先延ばしになり続ける「また来月、時間を合わせましょう」正式な断りがなくても、ほかの候補を探し始める時期だと判断する(第4章)
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#第3段階・IRピッチ — 資料作成のミスで7件が脱落

ピッチに招かれた15件のうち、7件はIR資料そのものが原因で見送られます。直接の原因は通常、Leeが示すIR資料作成の8つのコツ(第5章)のうち、よく破られるルールのいずれかにあります。

  1. 「何をするか」ばかりで「どう実現するか」がない — 目標は書かれているが、そこに至る段階的な戦略がない
  2. 「世界最高」「他に類を見ない」といった抽象的な表現に裏付けがない
  3. あらゆる面で競合に勝っていると主張する — トレードオフの存在を無視している
  4. 外部アドバイザーを過度に強調する — フルタイムのチームの弱さを覆い隠している
  5. 収益性への言及を完全に避けている
  6. エグジット(IPOまたはM&A)への道筋に触れていない
TIP
この段階の断りは、通常「今回は社内の合意に至りませんでした」という形になります。これは、中核となる仮説を検証できれば、6–12か月後に再度アプローチする余地があるというシグナルです。
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#第4–6段階・投資委員会とデューデリジェンス — 裏付け確認を通過できず5件が脱落

予備投資委員会を通過した8件のうち、最終投資委員会まで通過できるのは3件だけです。この範囲での見送りは、もはやIR資料の問題ではありません。多くは「数字が合わない」「法務・財務面の整理が済んでいない」という問題です。

段階理由VC社内での表現
④ 予備投資委員会別のパートナーからの反対「パートナーの1人から強い懸念が出ました」
⑤ デューデリジェンス帳簿上の仮払金、定款、知的財産権の帰属に問題がある「デューデリジェンスで、まだ整理が必要な点が見つかりました」
⑥ 最終投資委員会企業価値評価の交渉が決裂「バリュエーションの認識差を埋められませんでした」
⑦ 契約締結負担の重い条件で合意できない(株式買い戻し・プットオプション条項における連帯責任など)「標準条件で合意できませんでした」
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#断り文句のニュアンスから段階を逆算する

「第3段階で見送りになりました」と明言してくれるVCはいません。断り文句のニュアンスから逆算する必要があります。Leeの著書に「早く断ってくれる投資家は、あなたのためになっている」という一文があるのは、まさにそのためです。ニュアンスを正しく読めば、次の挑戦に使える情報になります。

断り文句のニュアンス考えられる段階次に取る行動
返信がまったくない、または「事業のご成功をお祈りします」第①段階 — 資料形式、または不明確な一文ピッチPDF、チーム紹介、一文ピッチを修正し、再挑戦する
「もう少し進捗が出たら、またお話ししましょう」第②段階 — 検証不足MVPを作り、支払いデータを蓄積して、6か月後に再アプローチする
「社内の合意に至りませんでした」第③段階 — IR資料そのものの問題実現方法、トレードオフの説明、エグジットの筋道を強化する
「パートナーの1人から強い懸念が出ました」第④段階 — 別のパートナーからの反対補足資料を用意し、ほかの投資会社にもアプローチする
「デューデリジェンスで整理が必要な点が見つかりました」第⑤段階 — 財務・法務面の未整理会計士と弁護士を通じて整理する
「バリュエーションの認識差を埋められませんでした」第⑥段階 — 企業価値評価の交渉希望評価額を、自社のステージにおける標準的な範囲内へ見直す
TIP
「早く断ってくれる投資家は、ありがたい存在になり得る。」(Lee Taek-kyung、第4章「投資プロセスと準備すべきこと」)— 明確な断りは次の行動につながりますが、根拠のない期待はそうではありません。
まとめ

#各段階で最初に直すべきこと

どの段階で見送られるかにパターンが見えてくれば、優先順位はおのずと決まります。全段階を一度に直そうとすると、結局どれも直せません。

  1. ①で繰り返し見送られる → 資料形式、一文ピッチ、チーム紹介を修正する — 1週間以内に対応可能
  2. ②で繰り返し見送られる → MVPを作り、支払い・インタビューのデータを蓄積する — 3–6か月必要
  3. ③で繰り返し見送られる → IR資料作成の8つのコツを一通り確認する — 2週間で修正
  4. ④で繰り返し見送られる → ほかのパートナーを納得させる補足資料を用意し、窓口となる担当者を変える
  5. ⑤で繰り返し見送られる → 会計士と弁護士を通じて財務・法務を整理する — 4–8週間
  6. ⑥で繰り返し見送られる → 企業価値評価の交渉姿勢を見直す(プライドを優先するのか、評価額を目的地ではなく通過点と捉えるのか)
CTA
OpenSeedのAI審査は、Mashup Angelsのペルソナをモデルに、第1–3段階での見送りにつながる資料形式の問題、不明確なピッチ、実現方法の欠落を自動で指摘します。分析開始画面に表示される現在の支払い条件で、初回面談前に段階ごとの見送りリスクを把握できます。
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