#GP・LP構造 — VCの資金はどこから来るのか
ベンチャーファンドはGPとLPで構成されます。GP(ジェネラル・パートナー)は、ファンドを運営し、無限責任を負う主体です。普段「VC」と呼んでいる運用会社がこれに当たります。LP(リミテッド・パートナー)はファンドの資金の出し手で、政府系ファンド・オブ・ファンズ、韓国産業銀行、年金基金、大企業などが該当し、責任は出資約束額に限定されます。創業者が面会する投資担当者はGPに所属しており、その担当者が投資する資金の大部分は、こうしたLPから集めたものです。
| 当事者 | 役割 | 責任 | 例 |
|---|---|---|---|
| GP | ファンド運営、投資判断 | 無限責任、共同出資義務 | VC会社、LLC、技術投資会社、アクセラレーター |
| LP | ファンドへの出資を約束する | 出資約束額を上限とする有限責任 | 政府系ファンド・オブ・ファンズ、開発銀行、年金基金、大企業 |
#存続期間8年、投資期間4年 — 創業者にとっての意味
韓国の標準的なベンチャーファンドの存続期間は7〜8年で、新規投資期間は通常その半分に当たる4年です。残りの4年は、追加投資、投資先管理、エグジットに充てられます。同じVCでも、ファンド設立1年目と4年目で新規案件への意欲が大きく異なるのはこのためです。
| ファンドの経過年数 | 新規投資 | VCの姿勢 |
|---|---|---|
| 0〜1年目 | 開始段階 | 慎重で、最初の1件、2件を厳選する |
| 1〜3年目 | 最も活発 | 新規案件を積極的に探す |
| 3〜4年目 | 期限が迫る | 残りの資金を積極的に投資する |
| 4年目以降 | ほぼなし | 追加投資、管理、エグジットに注力する |
#管理報酬と成功報酬 — VCはどう収益を得るのか
GPの収益源は2つあります。管理報酬は実質的な運営予算で、ファンドの出資約束総額に対する一定割合が毎年支払われます。成功報酬(キャリード・インタレスト)は、ハードルレートを超える利益の一部です。管理報酬でファンドの運営費を賄い、大きな収益は成功報酬から得ます。GPが高い投資倍率のエグジットにこだわるのはそのためです。
- 管理報酬 — 出資約束額の一定割合を毎年受け取り、人件費、賃料、監査費用を賄う
- 成功報酬 — ハードルレート(例:年率6%)を超える利益の一定割合(例:20%)
- 意味すること — GPの本格的な収益は、平均的な成果ではなく高い投資倍率から生まれる
- 意味すること — だからこそGPは、安全な1.5倍よりも10倍のリターンの可能性に賭ける
#ベンチャー投資の計算 — 1本のホームランがファンドを救う
ベンチャーキャピタルは、大半の投資が失敗するという前提で成り立っています。統計上、VC投資の半数以上は損失を出し、10倍以上のリターンを生むのはごく一部です。ファンドのリターンのほぼすべては、少数のホームランから生まれます。ある初期投資家の累計100社超の投資先では、わずか8社が総価値の80%を占めており、この構造を典型的に示しています。
| 投資家のタイプ | 仮想ポートフォリオの結果 | 全体の投資倍率 | リターンの源泉 |
|---|---|---|---|
| 初期段階 | 4社が利益、7社がゼロ | 約2.8倍 | 20倍超の1案件がリターンの3分の2を生む |
| 中期段階 | 6社が利益、5社が損失 | 約2.3倍 | 10倍超の1案件で元本の大部分を回収する |
| 後期段階 | 11社が利益、1社が損失 | 約1.7倍 | 大半が1.5倍以上で、ばらつきが小さい |
#IRRと投資倍率 — LPが早期エグジットを求める理由
LPは早期エグジットと高いIRR(内部収益率)を好みます。同じ会社で、1年で2倍になる場合と5年で10倍になる場合を比べると、投資倍率では後者、IRRでは前者が優位です。LPが主にIRRで運用実績を評価すると、GPには、資金拠出要請を遅らせ、エグジットを前倒しすることでIRRを高めようとする圧力がかかります。
| シナリオ | 投資倍率 | 期間 | IRRの観点 |
|---|---|---|---|
| 早期エグジット | 2倍 | 1年 | 非常に高いIRR — LPが好む |
| 長期のホームラン | 10倍 | 5年 | 投資倍率では優位だが、IRRは相対的に低い |
#この構造を理解すると交渉はどう変わるか
GP・LP構造、ファンドの満期、VCの実際の報酬の仕組みを理解すると、同じ断り文句や圧力も違って見えます。交渉している相手は、テーブルの向こうの個人だけでなく、その背後にあるファンド構造です。
- 断りの理由を読む — 「ステージが合わない」は、会社だけでなくファンドの残存期間の問題かもしれない
- 候補を選ぶ — 設立1〜3年目のファンドを優先する
- 追加投資の可能性 — 残存期間が長いファンドほど、次回ラウンドへの追加投資を約束しやすい
- 投資倍率の説明 — ピッチで「なぜ10倍を狙えるのか」を明示し、GPの報酬構造に直接応える
- エグジット方針のすり合わせ — 会社の長期ビジョンとファンドの回収期限が衝突し得る点を、事前に整理する
#セルフチェック — ファンド構造を交渉に織り込んでいますか
- 候補となるVCのファンド設立日と残存期間を確認しましたか。
- ピッチで、10倍の成長余地がある理由、つまり「なぜ10倍なのか」を明示していますか。
- 各ファンドの残存期間に照らして、追加投資の可能性を確認しましたか。
- 会社の長期ビジョンとファンドの回収期限が衝突し得る点を把握していますか。
- 断られた理由を、会社側の問題とファンド構造の問題に分けていますか。
- 候補リストに、設立1〜3年目のファンドが十分な割合で含まれていますか。
資金調達戦略にファンド構造を織り込む
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