#出資を必要としない2つの事業モデル
Lee Taek-kyungの著書の第1章では、出資が必須ではないケースを大きく2つ挙げています。どちらかに当てはまるなら、資金調達そのものを見送るべきです。
| タイプ | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| スモールビジネス型 | 資本金と初期売上だけで損益分岐点に到達でき、競争が激しくない | 地域の飲食店、コンサルティング事業、受託制作会社 |
| 自己資金による急成長型 | 低コストのICTインフラを活用して短期間で急成長し、その後に損益分岐点へ到達する | Cashwalk(歩数に応じて報酬を得られるアプリ)— 10か月以内に500万ダウンロードと営業黒字を達成 |
| 十分な担保を保有 | 必要な資金をすべて融資で調達できる | 土地、建物、在庫を保有する中堅企業 |
#事業モデルに出資が本当に必要なことを示す3つのサイン
一方、出資が本当に必要な事業モデルには、次の3つのサインが同時に現れます。1つか2つなら「調達してもよいが、必須ではない」段階です。3つすべてがそろうと、「外部資金なしでは立ち上がらない」段階に入ります。
- 損益分岐点までの橋渡しとして外部資金が必要 — B2Cのオンライン事業やディープテック事業では、最初の売上が立つまでに長い資金余力が必要なことが多い
- 市場で勝つためのリソースが決定的に重要 — 同じ領域に資金力のある競合がいれば、勝機を奪われる可能性がある
- 投資家を味方につけること自体が事業に必要 — 追加調達、M&A、人脈形成のため
#「他人のお金で事業を回そう」— モラルハザードを自己診断する
モラルハザードは、事業計画と資金使途の計画に、具体的には次の3つの形で現れます。
| モラルハザードのサイン | VCが読み取ること | 改善方法 |
|---|---|---|
| 創業者がほとんど自己資金を入れていない | 自分ではリスクを負っていない | 少なくとも一定の創業資金を入れる — 友人・家族からの調達でもよい |
| 創業者の報酬が市場水準を上回る | 出資金で自分の収入を保証しようとしている | 自分の報酬を市場水準より低く抑え、通常水準に戻すのはシリーズB以降にする |
| 資金使途の大半が「事業の維持」 | 成長の原動力がなく、生き延びるだけ | 損益分岐点への到達と市場での勝利を軸に資金使途を定義し直す |
#調達前の5分間自己診断 — 7つの質問
自社に本当に資金調達が必要なのかを見極める、5分で答えられる7つの質問です。「はい」が5つ以上なら出資が不可欠、3つ以下なら調達を見送るべきです。
- 損益分岐点に達するまで、12か月以上にわたって外部資金が必要ですか?(必要なら「はい」)
- 同じ領域に資金力のある競合がいて、先に市場を押さえることが勝敗を左右しますか?(そうなら「はい」)
- 事業モデルはJカーブ成長を実現する構造になっていますか?(スモールビジネス型ではないこと)
- 人脈形成、M&A、追加調達のために、バリューチェーンそのものが投資家を味方として必要としていますか?
- 自己資金、または友人・家族からの調達資金を、実質的な割合で投入していますか?(モラルハザードを防ぎます)
- 1〜2年間、自分の報酬を市場水準より低く抑える覚悟がありますか?
- 資金使途の計画は、単に事業を維持するためではなく、損益分岐点への到達と市場での勝利を軸に組まれていますか?
#「資金調達は目的ではなく手段」— MustItのインタビュー
ここでの要点は、調達するかどうかの判断自体が、本業とそのための手段のどちらを優先するかという意思決定だということです。本業がまだ十分に回っていない段階で、その手段である資金調達に4〜7か月を費やすと、逆に本業をさらに弱らせてしまいます。
#出資を受けないと決めたときの4つの代替策
自己診断の結果が「調達を見送る」なら、事業資金を確保する方法として次の4つがあります。自社のモデルに本当に合うものを1つか2つ選びましょう。
| 代替策 | 適したモデル | 欠点 |
|---|---|---|
| 融資(韓国の信用保証基金など) | 一定の担保または基礎的な売上がある | 連帯責任や個人資産の差し押さえのリスク |
| 韓国政府の起業支援金 | 創業前または創業初期の事業 | 事業化資金の上限はおおむね₩100M |
| クラウドファンディング | B2Cの製品やコンテンツ | マーケティング費用と募集期限のプレッシャー |
| ブートストラップ | 自力で急成長できるモデル | 成長速度に上限が生じる |
#セルフチェックリスト
調達を決める直前に確認したい6つの項目です。
- 事業モデルは、スモールビジネス型にも自己資金による急成長型にも当てはまりませんか?(どちらかに当てはまるなら調達を見送る)
- 出資の必要性を示す3つのサイン — 損益分岐点までの資金余力、市場を押さえるタイミング、投資家を味方につける必要性 — のうち、少なくとも2つが同時に当てはまりますか?
- 7つの自己診断の質問に、5つ以上「はい」と答えましたか?
- 事業計画に、自己資金が少なすぎる、報酬が高すぎる、資金使途が事業維持だけという3つのモラルハザードのサインはありませんか?
- 調達しないと決めた場合、4つの代替策のうち1つか2つについて、進め方が明確ですか?
- 「本業か手段か」を判断するうえで、今はむしろ本業を優先すべきタイミングではありませんか?(MustItの判断理由と照らし合わせる)
資金調達の前に自己診断する
スモールビジネス型とJカーブ型の自動分類に加え、モラルハザードのサインを検出します。
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