#トップダウンとボトムアップ — ボトムアップが優れている理由
| アプローチ | 説明 | 信頼性 |
|---|---|---|
| トップダウン | 「₩___Tの市場のX% → ₩___」 | 低い — 計算式を検証できない |
| ボトムアップ | 顧客数 × 価格 × 転換率 → ₩___ | 高い — 各前提条件を確認できる |
トップダウンは、「大きな市場だから、その一部を獲得できる」という曖昧な前提に依存しています。審査員はすぐに、その「X%」の根拠を問います。答えがなければ、信頼は崩れます。ボトムアップはその逆です。前提条件を1つずつ分解するため、審査員は計算を確認できます。検証できる数字は、信頼につながります。
#事業モデル別の4つの計算式
| モデル | 計算式 | 主要な前提条件 |
|---|---|---|
| サブスクリプション(SaaS) | アクティブユーザー数 × 月間ARPU × 12 × 継続率 | 月次解約率 / ARPU / アクティベーション率 |
| 取引型(コマース、予約) | 取引件数 × 平均取引額 × テイクレート | 取引頻度 / 平均価格 / 手数料率 |
| 広告型(コンテンツ、メディア) | MAU × MAU当たりの表示回数 × CPM × 1/1000 | サイト滞在時間 / 広告充足率 / CPM単価 |
| B2B(ライセンス、契約) | 契約件数 × 平均契約額 × 更新率 | 営業サイクル / 契約額 / 解約率 |
複合型モデル(SaaSと取引手数料の組み合わせなど)では、両方の計算式を組み合わせます。すべての前提条件を1つの式に詰め込まず、モデルごとに分けて示すのが標準的な方法です。
#前提条件を順に設定する — 顧客数、価格、転換率、継続率
| 前提条件 | 定義 | 信頼できる出典 |
|---|---|---|
| 顧客数 | 1–3年以内にリーチ可能なアクティブ顧客数 | 業界ベンチマーク + マーケティングファネルの推計 |
| 価格 | 1人当たり、または1取引当たりの平均支払額 | 競合の料金 + 自社で事前に実施したインタビュー |
| 転換率 | 関心 → 購入に至る割合 | 業界平均(B2B 1–3% / B2C 5–10%) |
| 継続率 | 月次または年次の継続率 | 業界ベンチマーク + 自社のベータ版データ |
#計算例1 — B2B SaaS(会計ソフト)
韓国の中小企業向けB2B SaaS会計製品を例に、3年目の売上をボトムアップで予測してみましょう。
| 前提条件 | 値 | 出典 |
|---|---|---|
| 対象となる中小企業数 | 320,000社(売上₩500M–₩5B) | Statistics Korea, KOSIS 2025 |
| 3年間の浸透率 | 1.2%(アーリーアダプターとしては保守的) | 類似SaaSの平均浸透率 |
| 月間ARPU | ₩110K | 競合の平均料金 + インタビュー |
| 月次解約率 | 2.5% | 韓国のB2B SaaS平均 |
計算式:320,000 × 1.2% × ₩110K × 12か月 × (1 − 2.5%×12) ≈ ₩3.1B。これを「3年目売上:₩3.1B」と示せば、審査員は4つの前提条件それぞれについて計算を確認できます。「浸透率1.2%は低すぎるのか、高すぎるのか」という問いは依然として妥当ですが、少なくとも計算式そのものには信頼性が生まれています。
#計算例2 — D2C高級食品
D2Cの高級食品サブスクリプションについて、2年目の売上を予測します。
| 前提条件 | 値 | 出典 |
|---|---|---|
| ターゲット層 | ソウル首都圏の単身で働く女性920,000人 | KOSIS 2025 |
| 2年間の認知率 | 2% | マーケティング予算 + 逆算したCAC |
| 認知 → 購入の転換率 | 8% | D2C食品業界平均 |
| 月間ARPU | ₩45K | 平均サブスクリプション料金 |
| 月次解約率 | 6% | D2C食品業界平均 |
計算式:920,000 × 2% × 8% × ₩45K × 12か月 × (1 − 6%×12) ≈ 約₩300M。小さく見えますが、「2年目の売上」としては保守的で信頼できる数字です。事業計画書では、検証できない大きな数字よりも、検証できる小さな数字の方が説得力を持ちます。
#前提条件の検証 — 出典、範囲、対象時期
- 出典を明記する — Statistics Korea、KOSIS、業界の研究機関、Statista、Gartnerなど、信頼できる機関を優先する
- 範囲を明記する — 「韓国国内の中小企業320,000社(売上₩500M–₩5B)」のように、対象の境界を明確にする
- 対象時期を明記する — 「2025年時点」のように、基準時点を記す
- 感度分析を行う — 主要な前提条件が±20%変動したとき、売上がどう変わるかを表で示す
- ベンチマークと比較する — 同様の成長段階にある類似企業の実際の売上と比較する
#事業計画書への載せ方 — 計算式、前提条件表、感度分析をセットにする
ボトムアップの売上予測は、1行の計算式、前提条件表、感度分析表の3点をセットで示すと、最も信頼性が高まります。
- 1行の計算式 — 「N年目売上 = 顧客数 × 価格 × 転換率 × ...」
- 前提条件表 — 各変数の値、出典、範囲(4–6行)
- 感度分析表 — 主要な前提条件1–2項目が±20%変動したときの売上の変化
この3点セットは1ページに収まります。それでも効果は大きく、審査員が売上予測の計算を30秒で確認できるため、根拠がしっかりしているという印象が自然に生まれます。
#売上予測の自己診断チェックリスト
- トップダウン(「₩___Tの市場のX%」)だけに頼らず、ボトムアップの計算式を少なくとも1行入れたか?
- 計算式のすべての変数に出典を付けたか?
- 変数の値は業界ベンチマークの範囲内にあるか?
- ターゲット層はPセクションの定義と一致しているか?
- 感度分析(±20%)を表で添えたか?
- 1年目、3年目、5年目の売上は、妥当な成長率で段階的に伸びているか?
- すべての表で単位、通貨、対象期間が一致しているか?
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